「労咳の闘病生活は甘くはないぞ。」 ビクリと身体が震えたのがわかった。 労咳―…? ドクドクとうるさく血を送り出す心臓。 身体が震え、カタカタと手に持つお膳が音を立てる。 私は必死にそれを抑えようとするが、震えは逆に酷くなる。 「それじゃあまた来るよ。」 松本先生がそう言って部屋から出てきた。 私はそれに反応することができずにただただその場にたたずんでいた。 労咳。 私は何度かその文字を目にしたことがある。 医学の本で。 その病は今は別の名になっている。 その名は、 …結核。