「一度は君と共に歩むことも考えた。」 だけどね? 「貫き通したかったんだ。」 自分自身を偽りたくなんてなかった。 明里は何も言わずに涙を溜めた瞳でこちらを見つめる。 君ともう逢えないと思うとすごく悲しい。 「だけど後悔はしていなんだ。」 私は一つ一つ丁寧に言葉を紡ぐ。 その時、静かに襖が開かれた。 「山南さん。」 そこには原田君がいた。 いつの間にやら空は暗くなっていた。 もうそんな時間になっていたらしい。