「山南さん!!」 外から私を呼ぶ声がした。 その声は高くて聞き慣れた愛しき人の声。 この人の声を聞き間違えるはずはない。 「明…里…」 振り返るとやはりそこには明里がいた。 「山南さんっ!!」 ああ…愛しい明里。 私の愛する明里。 私はただ無言で泣き叫ぶ明里を見つめた。 叶うならばこの手でその涙を拭いたい。 届くならば今すぐこの手で君を抱きしめたい。