「さすがに屯所の中までは入れてあげられない」と言って

見垣さんは私を山南さんの部屋の窓まで案内してくれた。



格子越しに見える愛しい人の姿。



まだ私たちの存在に気づいていないらしく

こちらに背を向けていた。




「山南さんっ!!」



愛しい人にこちらを見てほしい一心で私は叫んだ。