厠に行くなんて言っときながら私は外へと出ていた。




島原は灯りに満たされていて、

あちらこちらから賑やかな声が聞こえてくる。



夜の街…だ。



「あっ…」



角屋の一角に二つの影を見つけた。



その影の正体を確かめるべく、私はそれに近づく。



あっ…



「山南さん…?」



影の正体の一つは山南さんだった。