障子を開くと、身を裂くような冷たい風がが入ってきて身体が震えた。 「寒っ」 季節はもう冬を迎えていた。 この時代の寒さは尋常でないほど寒い。 冬になると厚手の服を着て、暖房器具をつけていた現代っ子の私からすると とてつもなく厳しい季節だ。 「桜ー、早く来いよー!!」 左之さんが私を呼ぶ声が聞こえた。 今日は元治二年の元旦。 正月はこの時代にとってもおめでたいことで…今日はみんなで呑みに行くらしい もちろん島原に。