藤堂平助side




手が宙をさ迷った。



「助…けて」


微かにだけどその言葉が聞こえた。



俺はすかさずその手を掴み取った。




「桜っ!!桜っ!?」



俺は必死に名前を呼ぶ。


目を覚ましてほしい一心で。


握る手に自然と力が籠もる。



桜はうっすらと目を開けた。


「桜!!」





「へ…いすけ?」