愛美は俺を無理矢理立ち上がらせて、俺の部屋に連れて行った。

「おい?愛美?」

何だか愛美の雰囲気がおかしい。

とても嫌な予感がする。

愛美は俺の瞳をまっすぐ見つめた。

愛美は泣いていた。

「ま……」

「何で…?何で佐奈なの?私じゃダメなの?」

愛美は理性を失っている。

嫌な予感が的中しそうだ。

「ダメなんかじゃ…」

「だったら…証拠見せてよ」

証拠……?

俺にはさっぱりわからない。

愛美は勢いよく俺に抱きついた。

「愛してるなら…好きなら……抱いてよ」

「愛美…!?!?」

「お願い………」

愛美は震えている。

「愛美………」

俺はそっと愛美を抱きしめ、優しくベッドに押し倒した。

愛美の額にキスをする。

「…いいんだな?」

「うん……。んっ……」

俺は甘く深くキスをして優しく抱きしめた……。

「あっ……!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー………。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………。



布団にくるまりながら愛美の髪をなでる。

愛美は夢の中だ。

愛美を抱いてしまった。

残るのは罪悪感や後悔ばかり。

して、よかったのだろうか。

よくないことをした気がする。

俺は、きっと、もっと愛美を傷つけてしまうだろう。

佐奈を幸せにする為に。

佐奈を忘れる為に。

「俺は勝手だな……ごめんな、愛美………」

「すー…すー…むにゃ…誠也…」

無邪気な寝顔で俺を呼ぶ。

俺は軽くキスをした。

俺は愛美を好きになりたい。

佐奈は亮を好きになった。

だからこれでいい……。

「これでいいんだ…」