それから、何事もない日が続いた。
鬼神との抗争があるだなんて思わないくらい、すごく平穏。
凪さんとのことも、いつもと変わらない。
ーーそう、変わらない。
ホテルに行けば抱かれ、愛されてると感じるけど、家に帰るとその愛すら薄れてしまう。
結局あたしは、彼にとっての一番にはなれないんだって思う。
だって、彼のあたしを見つめる瞳は、
神楽愛理を見つめる瞳と同じだから。
「ははっ…」
そうよね、うん。
あたしは、神楽愛理の代わりでしかないのかもしれない。
それに彼はあたしには会わないのに、ほぼ毎日のようにエンペラーの倉庫に行ってるんだよ。



