「もし、幸子に何かあったら、あたし達が相手ぶちのめしてやるからな!」
「頼もしいですね!」
センパイ達はそういうけど、あたしのことは心配しなくていいから、自分のことを心配してください…。
頼もしいセンパイ達なんだけど、鬼神相手じゃねぇ…。
「また明日な!」
そう言って帰っていくセンパイ達を見送り、あたしは駅に向かう。
駅に着くと、いつもの車が止まってる。
黒いベンツ。
中に入ると、そっと抱き寄せられる。
「凪さん…」
「…………」
「凪さんって抱きつき魔ですか?」
「こうしてると落ち着くんだよ」
そう言って顔を見せるのは、何時間前かにみた顔。



