あたしだって、普通の女の子。
恋だってする。
恋だってしたい。
でも、普通の恋がしたかった。
「あれ、幸子。今日は帰り早いのね?」
「…………」
「幸子?ご飯どうする?」
「……いらない」
部屋に戻って、崩れ落ちる。
「うううっ…」
あたし、どうしたらいいの?
どうすればいいの?
好きなんだもん。
初めてこんなに恋しいって思ったんだもん。
だから、少しの間だけ。
あたしはスマホを開いて、メール画面にする。
宛先はあの人。
あたしを見出してくれた人。
「ごめんなさいっ…」
あたしは、誰も裏切らないから。
だから、少しだけ……。



