黒いスーツをきて、大人の風貌を漂わせる雪兄。
「雪坊…」
「若や組長には俺から話しますから、寿々をここから連れ出してください」
「雪矢!?」
「寿々、」
「……わかった」
寿々さんはお付きの人たちに連れられ、ここを離れる。
「エンペラーの総長って、君だよね」
雪兄は周りに目をくれず、龍野と向き合う。
「…ああ、」
「大事な喧嘩中に我が組のお嬢が乱入して悪かった。俺が謝ろう」
そう言って雪兄は頭を下げる。
「待てよ!雪悪くねえじゃん!元わと言えば寿々嬢がっ…」
「寿々にとってサチは数少ない女友達で、サチに喧嘩させたくないって思いだったんだろ」



