普段では考えられないほど、寿々さんだって背負って来たものがある。
「…神楽、愛理…」
「来栖寿々です。以後お見知り置きを」
「来栖って、まさか……」
神楽愛理も極道の出だけあって、名前を聞いただけでもわかる、来栖組の存在。
あたしは、雪兄に教えて貰うまでは知らなかったんだけどね。
「春陽!さっちゃん連れて帰るけどいいー?」
「はあ!?寿々嬢ふざけるな!!まだ終わってねえんだよ!!」
「終わるもなにも、さっちゃんには喧嘩させるなってあれほど言ったじゃない!!」
「それこそ無理な話だろ!?さっちゃんだって狂乱の一人なんだぞ!!」
「誰よさっちゃんに喧嘩なんて教えたのは!?」



