あたしは諦め、同じように次第を絡ませる。
深く、深く、深く。
キスって、こんなに気持ちよかったっけ、なんて思うくらい。
力が入らなくなって、凪さんの首に手を回すと、さらに深くなっていく。
邪魔が入らないことに、どれだけキスをしていただろうか。
離れたお互いの唇を伝わる唾液。
いつも儚しげで、だけど妖気な彼の持つそのオーラは、あたしをドキドキさせるのには申し分ない。
あたしはやっぱり、この人が好きみたい。
それが雪兄たちへの裏切りだとわかっていても、好きという感情にだけは、嘘はつけないみたいだ。
「幸子、」
「凪さん…」
「もっともっと、幸子に触れていたい」
