繁華街の、誰もがエンペラーの人達に気を取られているおかげで、すんなりと大通りの中心から抜け出す。 中心から抜け出せば、少しは落ち着いた人並。 「はあ…」 早く帰ろう、寿々さんの家に行こう。 雪兄に怒られに行こう。 そんなことを思いながら、通りを抜ける時だった。 繁華街の入り口が騒がしい。 ぼんやりと、眺めていて、騒ぎの中心がはっきりと見えた時、 あたしは踵を返した。 見られた。 気づかれた。 やばい。 どうしよう。 凪さんだ。 凪さんだった。