そう思わないと、あたしがあたしじゃなくなりそうなんだ。
「チッ、」
「どうしました?」
「若僧が道を塞いでやがる」
「あ、」
繁華街の通路の真ん中で、喧嘩が起きている。
「幸子嬢ちゃん、あいつらどこの者かわかるか?」
「見たことないですね…」
「邪魔だなぁ、」
はっきり言って、どこぞの若僧が喧嘩しようとも、この本職の人たちに叶うはずがない。
「あたしが行きますよ、ここで待っててください」
「いや、ワシらが…」
「下手に動いて、組長さんに迷惑かけられないですよね。ならここはあたしが適任かと、」
「さっちゃんダメ!こいつらに行かせて!」
「寿々さん、あたし弱くないですよ?」
これでも実力で、狂乱の幹部なんですから。



