今回ばかりは、寿々さんのわがままを聞けない。
「お願いします!」
「はーなーしーてー!!」
「お嬢、動かないでください!」
寿々さんをお姫様抱っこして、お付きの人たちは連れて行く。
「お騒がせしてすいません…」
「いいんだよ、君たちは見てると飽きないね」
「はぁ…」
「早く行きな。じきにあいつらが来るよ」
「ありがとうございます、」
エンペラーの遭遇するのなんて、ほんとゴメンだ。
なにより今日は歴代総長が揃うとなると、ほんと、無理。
凪さん…いるはずだもん…。
癒えているのかいないのか、わからないあたしの心。
でも雪兄の敵だということが変わりないのならば、それはあたしの敵でもある。



