「お嬢ちゃんは、狂乱の方が弱いと思ってるのか?」
「まさか。エンペラーなんかに負けませんよ」
いくら勢力的にはエンペラー優位とされる関東でも、狂乱の強さを知ってらどうなるかわからない。
あたしたちは先代が作り上げた関東支部の強さを、見せるためにあるのだ。
「その言葉、そっくりそのまま返すわ」
「……おや、珍しいね」
「久しぶりね、幸子」
美朱、さん…。
「愛理の様子おかしかったからつけてみたらここにたどり着いたのはいいけど、幸子も来てるだなんて思わなかったわ」
「……………」
美朱さん…。
やっぱり、昔のようにはあたしをみてくれない。
あの、レッドローズにいた頃のようには…。



