「何があったか知らないけど、このお店でのトラブルだけはやめておくれよ」
「喧嘩なんかしませんよ…」
「君はその気がなくても、愛理ちゃんは違うのだろう?」
「……………」
確かに。
神楽愛理の目は、昔に戻ったみたいに、何も写していない。
人を何人も殺せそうな目。
「愛理ちゃん、」
「…すいません、」
「奥の部屋を使うかい?」
「はい…」
そう言って神楽愛理は奥へと消えていく。
「昨日、愛理ちゃんがいなくなったのも、君たちが関係してるみたいだね」
「誤解ですよ、それ。うちの女好きが彼女のタイマンはって勝っただけですよ」
「それだけには思えなかったけど?」
あたしだって、それしか知らないもん。



