「その女学生が余程惚れ込んだのが、狂乱14代目ということか…」
「……………」
この人、本当に掴めない。
「そう怪しまなくてもいい。元々ここにも風来会の人間はよく来てたんだ。今は全くだけど」
「好き好んで敵地には来ませんよ」
「でもあの来栖組のお嬢ちゃんは違うみたいだけどね」
「あの人は特別です。本来ならもっと外に出るべき人間なんです」
寿々さんは、社交的だけど、ヤクザの娘ってだけで命を狙われる。
だからいつも友達も少なくて、こういうそっち側の人間が来るところでも安全ってわかってるならくるんだ。
「それよりも、この時間に会いてるのにびっくりしたんですけど…」
てっきり、お店閉めてるのかと思ってた。



