「雪兄!待って!」
「サチ遅い」
「雪兄が早すぎるの!」
雪兄はそれなりに身長高くて足も長いかは、歩く速さが違う。
いつもあたしは小走り気味。
「それより、なんで急に止まったの?」
「いや、なんとなく?次の龍野組の若頭の顔を拝めたいなーと思って」
「初めて見たの?」
「初めて。俺、あんまり外に顔出してないから」
「そっか、」
やっぱり相手の顔って、気になるものなのかな?
あれ、でも…?
「神楽 凪のことはよく知ってたよね?」
「ん、まあ…」
あたしが神楽 凪に出会う前から、彼のことを知っていたのは、全て雪兄から聞いてたからだ。
雪兄、会ったことあるのかな?



