この前の事件のあと、着信とかひどかった。
でもちょうど次の週は修学旅行でこの街を離れていた。
凪さんが前みたいに待ちぶせするってことはもうないと思う。
あたしの学校や家がある場所は、風来会の領域なのだ。
今まで危険を犯してまで、凪さんは敵対する領域に来てたということ。
あたしの正体を知ってしまった今、迂闊には近づけないだろう。
「なぁー」
「ん?」
「……腹減った」
「……はぁ、和巳の分残しておいてよ」
「よっしゃあ!!」
ほんと、バカ。
なんでこんな奴が総長なのか、って言われたら口ごもるくらいのバカ。
しかも春陽、これでもあたしより年上だからね。



