こいつは、何を言い出すんだろう。
たぶん、みんなそう思ってる。
「幸子っ!」
「……理由は?」
凪さんを制するように、美朱さんが尋ねる。
さすがはあたしが認めただけはある。
「理由なんてありすぎて。しいて言うなら、もうここにはいられないってことですかね」
「……それは本心でいってるの?」
「本心じゃなきゃ、いいません」
それでは、と言って、あたしは出入り口へ向かう。
「ちょ、待ちなさい!話は終わってないわよ!」
美朱さんは走ってあたしを止める。
腕をつよく握られる。
「……っせいな」
「幸子!!」
「うっせえって言ってるんだろうが!!」



