今となってはどちらでもいいんだけど。
「総長!9代目が来られました!!」
凪さん?
黒いベンツが倉庫の中まで入ってきた。
そこから現れたのは、まさしく凪さん。
凪さんが周りを見渡しながら、神楽愛理の元に近づく。
「……っ……」
目が、あったきがした。
一瞬、あたしの顔をみて目を開いたと思ったから。
でも彼は、あたしを過ぎ去り、向かうのは妹のもと。
「ははっ…」
そりゃそうだよね。
この場合、あたしよりも妹優先なんだよね。
「……ほんと、」
なんなんだろ。
少しでもあたしのところに来てくれる余地あったっていいじゃん。



