「…………」
「……なんですか、芯さん」
「どうして君がここにいるんだ?」
「さぁ、どうしてでしょうか?」
そうやって言葉を濁すと、睨まれた。
そりゃそうだ。
一応この人はエンペラーの副総長。
対してあたしはレッドローズの下っ端。
「君も怪我してるみたいだから、手当は受けてもらうよ」
「……はい」
何も聞かれない。
「美朱を呼んでくる」
「…………」
美朱さん…か…。
「幸子!?あんた大丈夫なの!?」
「大丈夫ですよ?ピンピンしてます!」
「ほんと、あんたまで攫われたって聞いた時は……ほんと……」
「美朱さん……」
あたし、攫われたことになってたんだ。



