あたしに喧嘩を教えてくれた人はこういった。
『身を守るためとか、誰かを守るためになら強くなれるなんて、綺麗事。結局強い奴は強いし、弱い奴は弱い』
『だけどな、強い奴はそれなりに努力してるんだよ。最初から強い奴なんていないんだから』
だから、あたしは努力した。
なんの取り柄もないあたしだけど、喧嘩だけは女で一番強いって言いたくて。
だからあたしは女で一番強いとされてた魔女を相手に、魔女狩りをしようとした。
なのに、それもできないまま。
「あーあ。何もかもがついてない」
そう言って、男を蹴り飛ばす。
残るのは、鬼神副総長、そして、奥にいる、総長と神楽愛理。



