遙に髪を乾かしてもらってリビングに戻ると、四人はソファーの上で熟睡してしまっていた。



「みんな、寝ちゃってますね…」



………全く。



「坂口さん毛布何処ですか?」


「ああ、俺の寝室のクローゼットの中…」



俺が言うと遙は毛布を二枚持ってきて、エディと英明に掛け、次に双子を遙が使う予定だった寝室のベッドへと運んで行く。



俺は毛布をはぐり、遙はそこに双子を寝かせた。



遙は双子に毛布を引き上げてやり、ベッド脇に膝をつき双子の頭を撫でてやりながら。



「ふふふ。二人とも可愛いですね?」


「寝てるとな…、起きてたら悪魔だけど……」


「えー?そんな事無いですよ。政宗くんも信長くんも凄く素直で可愛いですよ?」


「俺は子供は苦手なんだ……」



特にこの双子がな。



「坂口さん、子供苦手なんですか?」


「うん。うるさいし、容赦無いし…、あまり、得意じゃないかな」


「そうだったんですか…あ。また、坂口さんの新しい一面、知ちゃいました。ふふふ。私は賑やかで楽しかったですよ?エディさんも田村さんも凄く面白い人達で、こっちに来てからは誰も居ないアパートに帰るのが最近、少しだけ寂しいかなって思ってましたから…」



ベッドを背もたれに、俺は遙の横に腰を下ろした。



「遙は子供、好き?」


「はい。大好きですよ?保育士になろうかとも思ってましたから」


「保育士?」


「はい。一応資格も持ってます。えへへ」


「へぇ。凄いな、でも何で保育士にならなくてうちの会社に就職したの?」


「私の実家、すんごいド田舎で、憧れていたんです。都会に、それに私には夢があって…」


「夢?」


「はい。素敵で知性的で大人な、自立した都会的な女性になりたいんです」