腕を動かさなければ大丈夫なようで、取り外し可能なギプスを外し、なんとか一人で入浴を済ませる事が出来た。
ほら。やっぱ大丈夫。
いくら痩せてて頼りない俺でも自分の面倒くらいは自分で見れるさ。
片手でなんとか下着を履いて、鏡に映った上半身裸の自分の身体が目に入る。
……そんなに…、痩せてるか?
普通だと思うんだけど……。
少し腹に力を入れてみる。
エディ程のシックスパックは出来ないものの、多少の腹筋はある。(つもり)
次に痛んでいない方の右腕を持ち上げてグッと握り拳を作る。
頼りない筋のような筋肉が微かに膨らんだ。
米30キロ……。
抱えれるかな?
等色々と鏡の前でポージングしていると。
「坂口さんっ!」
「わっ!」
勢いよく遙にドアを開けられて、俺は驚き、変なポージングのまま固まってしまった。
「なななな…、何?」
俺は慌て腕を下ろした。
「お風呂…、一人で入ったんですか?」
「へ?…、あ。ああ、うん。もう済ませたよ?」
遙は肩を落とし。
「お手伝い出来なくて、すみません……」
「いいよ、風呂くらいは一人で入れるから…、大丈夫だよ」
「あっ、頭っ、拭きますね!」
遙は俺が首からかけていたタオルをスルリと引き抜いて、必死に背伸びして俺の頭をガシガシと拭き始めた。
俺は遙がやり易いように少しだけ前に屈んで、目の前には[3‐C村山]

