「え?違うのかい?」
「ちちち違います!私は坂口さんの……、何ですかね?」
と、遙は俺に聞いてきた。
嘘でもいいからこの場は恋人って事にしといてくれてもいいんじゃないかと思うけど、遙にはその辺の融通が利かないようだ。
まあ俺もこのまま遙とどうこうなんて思ってはいないけど。
「エディ。遙は会社の同僚なんだよ、俺の事故に偶然居合わせて、医者にも連れて行ってくれた。俺が一人暮らしで不自由だろうからって、心配して俺の世話をしに来てくれているだけなんだよ」
「オー。そうだったのかい?ハルカ。ボクはてっきりシュージのハニーだとばかり」
「ハ…、ハニー?…、とっ、とんでもないっ!坂口さんの怪我は半分は私のせいなんです!それに坂口さんって、なんかほっとけなくてっ!酔って運転しようとするしっ、細くて体力無さそうだしっ、コケただけで脱臼しちゃうし!車酔いしてリバースしちゃうし!」
「ぶふっ!も…、限界。ごめっ…、修二…、ぶははははっ!」
俺は…、泣きたい………。
「シュージ!そのけが、ころんだの?」
「シュージ!リバースってなに?」
「シュージ!日頃から身体鍛えないとダメだよ!ほら!見てよボクの腹筋っ!」
……エディ。
脱がなくて、いいから……。
「ぶははははっ!ヒィーッ!腹っ、痛っ……、っく、ははははっ!」
もう……、無茶苦茶だ……。

