「シュージ…、助けてくれ…」
今だ男の子二人にのし掛かられた格好で、床に寝そべり情けない声を出す男。
「エディ……どうしたの?突然訪ねて……てか、何やってんの?そんな所に寝転んで…」
「は?修二の知り合いか?」
「姉の旦那だよ」
へ?
………姉の……
旦那…………?
てことは……、坂口さんの義兄さん?
ひょええぇぇええぇーーーっっ!!
私ってば和久井君に続いてとんでもない事をっ!!!
しかもその相手は坂口さんの義兄さんっ!!
どどどどどうしよう?!
とんでもない事しちゃったよ!
私はその場でガバリと床におでこをくっ付けて土下座。
「もももも申し訳ありませんっ!」
「へ?どうしたの?遙…」
状況が飲み込めない坂口さんはキョトンとしている様子で、私はとんでもない事をしでかしてしまった事を、頭の中で猛烈に後悔していた。
「……いやー…、スゲーもん見たわ」
呟く田村さん。
「何があったの?」
「アクション映画だ」
「は?」
「いや、マジ凄かった」
「だから何が?」
「シュージ!その子はニンジャなの?」
「は?忍者?」
「違うよ!女のニンジャはくのいちって言うんだよ!ね?シュージ、その子はくのいちだよね?!」
「くの一……?」
「マサ…、ノブ…、いい加減ダディから降りてくれないかい?」

