last.virgin




足早に会社へと向かいながら、入口がミラーになっている、会社近くのまだ開店前の時計屋の前を通りすぎていたら、長身のイケメン二人に挟まれた私の姿が写し出された。



坂口さんも田村さんも背が高いなぁ。
私がチビだから余計に長身に見える。



それに二人とも足長っ。
腰の位置が私のお腹辺り。



三人並ぶ私のその姿はまさに、捕獲された宇宙人。



大人のいい女になる為には身長も必要みたいで、これから毎日牛乳飲んだとしても、今さら身長は伸びないだろうな……



お兄ちゃんも身長は高いのに。
同じ兄妹で……、神様は不公平だ。



「はあぁ〜……」


「どしたの?遙ちゃん、ため息ついて、何にトラブったんだか分かんないけど、よければ話してよ」



お兄ちゃんがやって来たストレスと、大人で素敵な女性になる為の道のりはまだまだ遠そうで、無意識にため息が出てしまった。



「ほえ?あっ、なんでもないんです。大した事じゃないですから、いや、お二人とも背が高いから、羨ましいなーって…、あはは」


「遙ちゃんはちっちゃくて可愛いよ?何センチくらい?」


「可愛い?私が?あはは、ありがとうございます、お世辞でも嬉しいです。145センチなんですよ…、せめて後10センチは欲しいですけど…」


「いやいや、お世辞じゃないし。世間一般の男はちっちゃい娘が好みだけど思うけどなぁ、なんか守ってやりたくなるって言うか」


「ホントですか?」


「うん。な?修二?」


「遙は守ってもらわなくても十分強いよ」


「あははっ。確かにそうだ」



恐らく昨夜の事を言っているんだろうな……



ここは山の中じゃないんだから、もっとおしとやかにしなくちゃ。



私ってば考えるより先につい身体が動いてしまうから、今後はなるべく気を付けよう……