last.virgin




そんな訳で。



とにかく家を出て、お兄ちゃんと離れて暮らし、何の気兼ねも無しに一人で自由に暮らしていきたい。



そう固く誓って益々バイトを増やして、必死に貯金した。



大学受験する頃、おばあちゃんの具合が少し悪くて、ホントは県外に進学したかったんだけど、おばあちゃんの事が心配だったから、県内の短大に進学した。



やはり県内で一人暮らしなんてさせてもらえる筈もなく、それは就職先に託したのだ。



有名企業に就職出来たら誰にも文句言われんやろ。



片っ端から一流企業の就職試験、面接を経て、今の会社に無事就職。



晴れて私は自由の身に。



毎日が忙しく、優しい先輩の元、仕事にも慣れてきて、先日ひとつ大人になって、和久井君とも再会する事が出来た。



なのに………



………お兄ちゃん。



こんな所にまで私の邪魔しにやって来るなんて。



やっと手に入れた憧れの一人暮らし。



絶対にお兄ちゃんなんかに邪魔されたくなんかない。



どうやって追い返そうか?



なんて。



過去の回想や、お兄ちゃん追い出し計画を考えていたら、いつの間にか会社近くまで来ていて。



会社が所有している、社員用の駐車場に坂口さんの車を駐車した。



「兄さんに俺からきちんと話そうか?なんか…、色々と誤解してるみたいだし……」


「ほえ?誤解?………あっ!」



そう言えば、お兄ちゃんに坂口さんとの事、否定しなかった。



むしろ肯定したような事を言ったような?



考えてみたら私と付き合ってる訳でも無いのに、坂口さんにとっては迷惑な話し……



なんだよね……。