last.virgin




バイクに乗るようになってからは、一日数回しか来ないバスに乗らなくても、時間に追われる事が無くなったので、バイトの幅も広がった。



和久井君と知り合ったのはこの頃。



私は週三回、早朝コンビニの品出しのバイトを始めた。



早朝の峠は走り屋が多くて、凄い邪魔で、私はその走り屋達を追い越して峠を下っていた。



何故か峠にはどんどん走り屋が増えていって、平日の早朝にも関わらず見物人も居る程で。



みんな暇なんやなぁ。



なんて思いながら私は邪魔な走り屋達をちぎってバイトへと毎回急いでいた。



そんな日々が続いていると、毎回私の後ろにピタリと張り付いてくる一台のバイクが居る事に気付く。



他のバイクは楽勝でちぎれるんだけど、その一台だけはなかなか引き離せない。



ある日そのバイクは私をついに追い越してしまった。



エンジンの調子がおかしかとやろか?



そう思った私は路肩にバイクを停めて、熱を持ったエンジンの様子を見ていたら、私を追い抜いたバイクが戻ってきて。



「なんつー速さや…、そのマメタンは……
でも…、クイーン…、やっとお前に勝てた」



バイクの主はヘルメットを取ると私に向かってそう言った。



………クイーン?



何それ?



私は訳がわからず、キョトンとしていると、バイクの主はバイクを降りて私の前に立ち。



「お前に勝ったら、お前はそいつのモンなんやろ?噂とはちょっと…、イメージ違うけど…」



そう言って私の唇に………



「ぐはぁっ!」


「なんすっとやっ?!この変態っ!!」



いきなり見ず知らずの男にファーストキスを奪われてしまった私は男の腹に蹴りをくらわせた。



それが和久井君との出会い。