last.virgin




みんなで朝御飯を食べて、私と坂口さんと田村さんは会社へ出勤。



政宗くんと信長くんが後追いしちゃって大変だったけど、早めに帰ってくるからと何とか宥めて。



エディさん達親子は、一子さんが訪ねて来るかも知れないので、取り合えずお留守番してもらう事に。



田村さんは来客用の駐車場から一足先に出勤して、私は坂口さんの車を運転して一緒に出勤。



会社までは約40分くらい。



やっぱ自家用車って楽だな。
ラッシュも関係ないし、道は混むけど、あのぎゅうぎゅうに押しつぶされるバスの中は一日の始まりを憂鬱にさせる。



鼻唄まじりにハンドルを切っていると坂口さんが。



「あれ?遙。社員証は?」


「ほえ?社員証は、ほらここに……」



忘れないようにいつも出勤前には首から下げて……



「………あああっっ!!!」


「えっ?!何っ?どうした?!」


「アパートに…、忘れて来ちゃいました……」



なんてバカなの私ってば……



大手広告代理店だけあって、外部に情報が流出してしまうのを防ぐ為に、うちの会社はかなりセキュリティが厳しいのだ。



社員証が無いと会社に入れないよ………



「仕方ないな、取りに戻るか」


「……すみません」


「いいって、いつもより早いくらいだし、十分間に合うよ」


「……はい…」



近くのコンビニで車をUターンさせて私の自宅アパートまで逆戻る事に。