「校門を出たトコロで見知らぬ車が待ち構えていて、あっという間にお嬢様を・・・ワタクシがついていながら一生の不覚っ!」
「じゃー、こんなところで呑気に愚痴ってる場合じゃないンじゃーん?」
士塚忍がこれでもかというほど呑気に受け応える。
「無論っ!!既に然るべきトコロへは連絡し、その道のエキスパート達が血眼になって行方を追っていますとも!!」
「そー。じゃ待ちなわけね。暇つぶし?」
そこでそれまで厳めしい顔で口を引き結んでいたオッサンがカッと口を開いた。
「君を見損なったぞ、忍クン。清香が危険な目にあっているというのに何故、助けに行ってくれないんだ!?」
彼は清香のオヤジ。
愛娘の誘拐に憔悴と不安が伺える。


