「姫~、大根で包丁の試し切りはヤメテくださぁーい。」





晩飯の仕度の最中。


手荒く大根を叩き切っている私に、士塚忍がツッコミを入れた。





あンのお嬢様の出現のお陰で、もともと下降気味だった私の気分は乱気流だ。




そんな不機嫌マックスの私を余所に、士塚忍はニヤニヤと締まりない笑みをソファーの背凭れ越しに覗かせている。



・・・ナニがオカシイんだチクショウ!







「ふへへへ・・・・それってひょっとして、ヤキモチっすかぁ~?」




私の顔は耳まで一気に赤くなった。