不審一杯に睨みつけていると、整った口がくすっと小さな笑声を零した。





「ま、ともかく兄を信用して下さい。・・・あんなのでも彼はボクが世の中で一番畏怖するヒトですから。」




・・・よっぽど狭い世の中で生きてるらしいな。


それともそこはいっそ別世界なのか?





呆れ果て突っ込む気も失せた。





話しは済んだと踵を返すトコロで、ミカゲが「あ、そうだ!」と叫んだ。


手に持っていた紙袋の中からジャージを取りだした。





・・・・これ、私のだ。




忘れたと思って、今日の体育は半そで半ズボンの体操服で受けさせられたンだが?







「兄が拝借したようで、取り返しておきました。後でそっと返しておこうかと思ったんですが・・・お返し致しますネ。」






・・・あんにゃろー!





私はジャージを握り締めてプルプルしながら呟いた。







「・・・返却期限が来るまでにうっかり絞め殺すかもしれん・・・」



「ご随意に♪」