書類を持ってきた生徒を返し、男が私を連れてきたのはそこから脇にそれた体育館の裏。 「やっぱりアンタがミカゲなのか?」 「あんな声で聞き分けるなんて相当耳がヨロシイですね。」 嫌味でもなくニッコリと柔らかな微笑を浮かべる。 ビジンと言っても過言でないほど整った顔。 二年というからには一つ下なのだが、とてもそうは見えないほど落ちついた物腰。 ついでに生徒会長なんて肩書からして頭もイイんだろう。