守ってあげちゃう


移動教室から帰ってきて、仕度をしようと机を漁って眉を顰める。



「国語の教科書が・・・ねぇ・・・」



忘れたわけじゃない。

確かに入れたのを覚えている。





「あ。そいえば、昼休みに士塚が勝手に机漁ってたよー?」



・・・にゃろう。





士塚の教室へ行くと





「あー、借りた。けど、他のヤツに貸しちゃいましたー♪というわけで、これでも使ってちょー。」


と、手近な机から勝手に取りだした教科書を渡してきた。



そんないい加減なコトばっかしてるから・・・

と文句はあったが時間がなかったため、誰かの教科書を拝借して教室に戻った。





放課後にはいつの間にか机の中に教科書が返ってきてて・・・


私は借りたままうっかり机に仕舞いこんでいた何某の教科書を居た堪れない思いで返してきた。











・・・なんもかんも士塚忍の所為だっ。


チクショウ。