守ってあげちゃう


学校では、似非アイドルのように囲まれていたりするが、外では一切関わらないようにというのは約束してある。





これまで友達を積極的に作らなかったのは、周囲が過剰に私を敬遠することもあったが、万が一にも家のごたごたに巻き込みたくなかったからだ。



悪党が兄を傷つけるために私を餌にするように、私を餌にするために友達を傷つけないとも限らない。





話かけられて戸惑う私にみんなが言ってくれた。





『巻き込まれそうになったら、鮫島さんがチョーピンチでも見捨てて逃げる。薄情だけど、ゴメンね?』―――と。






薄情なんて思うわけない。






ヘンな友情に囚われて一緒に怪我をされたらそれこそ友達を作ったことを後悔すんだ。