帰り支度をして椅子から立ち上がろうとした私の上に影が落ちた。 訝しげに目線を上げて、放心する。 「お迎えに上がりやしたよーん、お姫サマッ♪」 相っっ変わらず、アホ丸出しの口調で私に手を差し出す士塚忍。 その格好は今朝別れた時と全く変わっていない。 いないのに。 ・・・・あれ? コイツこんなに格好ヨカッタっか? 確かに、顔はそこそこ整っていたケド、しまりがないというのか、全く美形には見えなかった。 今も軽さ全開のアホ丸出しなのに・・・ 何故だ、ちょっとマトモに見える。