「鮫島組の鮫島美姫だな?」
男はニヤニヤ笑いながらそれだけ言って、私の返事も待たずナイフを振りかざして襲ってきた。
・・・人違いだったらどーする気だ、このバカ供。
振り落とされたナイフをすっと避けて、上から手刀を叩きつける。
ナイフを取りおとした男の顔面に間髪入れず肘をめり込ませた。
「ぐあっ!」
「このオンナ!!」
振り向きざまに背後に迫った男の鳩尾に蹴りを放ち、反動で反対側の男に渾身の一撃。
「失せろ。」
冷やかな一言に、男達は重い身体を引き摺って、逃げて行った。
・・・はぁ。
チンピラを見送った私はため息交じりに後ろを振り返った。
「・・・オマエ、仕事する気ねぇのかよ・・・(怒」