「意外にマジメなんだーね。遅刻ぐらい堂々としよーよ、極道のお嬢さーん。」
「うるせー!極道だろーが理由もなく遅刻早退なんざしたことねーからなっ」
「朝飯~・・・」
「誰の所為だ!」
どこまでもトボケタ士塚忍と言い合いながら走っていた私の目の前に男が三人立ちはだかった。
二十代と思しき、ガラの悪そうな男達。
腕試しのバカガキなどではなく、本家絡みのようだ。
とはいえ、サンピンだしな。
兄は土地買収などもやっているので、経営不振によって潰れた経営者が逆恨みして、チンピラにお仕置きの依頼をしてきた・・・というパターンが濃厚だな。
私を直接甚振るのではなく、兄を甚振る餌として私を傷つけるつもりなんだ。