丁寧に口を拭って差し出された缶に、僕は首を振った。 「いらないよ。毒盛ってあるから、それ。」 「いえ・・・でも確かに・・・」 「鮫島美姫特製の惚れ薬。」 宵クンがちょっと驚いたように目を見張った。 ポーカーフェイスは得意な方だけど、こんなコトで崩れるようじゃ、やっぱりまだまだ。 ライには程遠い。 まぁ、そんな人間染みた所も個人的にはキライではないけれど・・・。 「君に効くのか知らないけどね。」