そんなことを思いながら小さく空咳をした時、
胸元がほっこりと温かくなった。
重さを感じて、セーターの上からそれを押さえる。
「飲もうと思って買ったヤツだけど、やる。お大事に。」
それだけ言って『姫』は身を翻し、指の間から黒い髪がすり抜けて行った。
「おいっ!アイツになんかされてねーか?大丈夫か?」
「てか、一清とナニしてたんだよぉー?」
「別になんもねーよ。一々威嚇すんな北斗。」
お人よし。
そっとセーターの中に手を突っ込んで、ホット缶と思しきモノを取りだした。
これがきっとココアだったりしたら
・・・・少しは運命とか感じたりするのかな・・・?


