守ってあげちゃう









「姫や~い。どこ行ったぁ。」


「姫―っ!」






校舎の方でサイレンを鳴り響かせるパトカーみたいにウルサイ声があがった。







「君の有能な護衛にもう嗅ぎつけられたみたいだね。」



「そうらしいな。」






そんな会話をしている間にも渡り廊下の端に忍と下っ端クンが顔を出した。





「あ、こんなところにいたし~。てか、一清じゃん。」



「ぬっ!」






相変わらず太平楽な忍に反し、あからさまに敵意をあらわにした下っ端クン。




その余裕が力の差だな。





やっぱり『ライ』を手に入れられないのは心残りだ。