守ってあげちゃう


渡り廊下に二人残された。




「僕に散々な仕打ちを受けたくせに、助けるなんて、君は相当のお人よし?それとも偽善のヒーローなのかな?」






「バカ言え。通行の邪魔だから退いてもらっただけだ。邪魔されたくなきゃ定番の体育館倉庫ででもやってくれ。」




ふんっと顎を聳やかす。





まぁ、確かに体育館倉庫で喧嘩するのを態々助けに来るとは思わないが、



それでも目の端に入れたら見過ごせなくて、介入してくるんだからお人よしでしょう。







黒い髪が木枯らしに揺れた。


その一房にうっかり手が伸びたのもきっと熱の所為だな。