午前零時を頃合いに、本家を出た。
勿論、士塚忍を従えて。
当たり前のように帰り際、士塚忍と兄、以下家の連中との間で壮絶なやり取りがあったが、面倒なので割愛する。
「うっひょー♪ぢょしこーせーの独り暮らしマヂー!?」
「・・・近所迷惑だから少しテンション下げろ。」
さっきっからはしゃいで叫びまくっている士塚忍に溜息を吐く。
「でもなんでー?あのでっかいお屋敷なら無駄部屋いくらでもありそーじゃん?」
「んあ?そーいうこっちゃねーよ。組のしきたりっつーか・・・後継ぎ以外は早々に家追い出されんだよ。本家にヘタげに関わってっと、危険だから。」
「にゃるほどー?後目以外は大自然に返されるわけだ。」
「そういうこった。」
それで、時々はみんなの顔見に本家に足を運ぶ以外、私はマンション暮らし。
とはいえ、万が一を考慮し近場に数人、ボーディーガードの組のモンが密かに潜んでいたりするが。