「貸せよ。やってやるぞ。」
「いいっ、宿題だし!それに、これも修行のウチなんだ!」
忍びの修行では家事は必須。
つか、独りで全てをこなしましょう、ってヤツだ。
場合によっちゃ、応急処置に自分の傷も縫いましょう、とか言う無茶苦茶な項目もあったし。
・・・マジ、うちの一族パねぇよ。
修行内容に思いをはせていると、不意に左側に圧力がかかった。
「オマエ、左手の布の送り方が下手なんだよ。手はこう、こうやって持ってさ・・・」
姫の手が俺の手を覆うようにして添えられる。
必然的に体がくっついて心臓が無駄に騒ぎ出した。
無防備にも程があるぞ!
まぁ、この人にとっちゃ俺は末息子ってだけなんだろーけど・・・


