「だから言ったろ?こんなんじゃハンディにならないってさ。」 刀を合わせた宵に士塚忍が同情すら伺わせる笑みを浮かべた。 ぶん――― 刀ごと振り払われた宵が大地に着地する。 そのまま顔を強張らせ、固まった。 気付けば、他のヤツ等も同じところから動けないでいる。 「二度も同じ手に引っかかるんじゃないよ。」 ばかだなぁ、と笑うような声は頭上から。 見上げて、ぎょっと目を見開く。 士塚忍は宙にぽっかり 浮いていた。 いや、浮いているんじゃない。 あれは・・・ 蜘蛛みたいなあの糸。